ASADASHI
広告・集客2026.08.28·読了 2·難易度: ふつう

YouTubeのDemand Gen、8月アップデートで何が変わったか

朝の出汁版(通勤2分)

  • ポイント1: GoogleがYouTubeのDemand Gen広告に、メッセージング・旅行・クリエイティブに関する新機能を追加すると発表した。
  • ポイント2: 使う側として知っておくべきは、Demand GenはYouTubeを入り口に見込み客を獲得する広告フォーマットであり、今回のアップデートでリーチの経路と訴求の幅が広がっている点。
  • ポイント3: 触りたい人はGoogle広告の管理画面からDemand Genキャンペーンを開き、新しいクリエイティブ設定と配信オプションが反映されているか確認するところから始めるとよい。

出汁の素(深読みモード)

Demand Genとは何か、まず15秒で整理する

Demand Gen(デマンド・ジェネレーション)は、GoogleがYouTubeやGmail、Discoverフィードなどを横断して配信できる広告フォーマットです。検索広告と違うのは、「すでに検索している人」ではなく「まだ検索していないが買いそうな人」に先手を打てる点。動画・画像・カルーセルなどを組み合わせてビジュアルで訴求し、上位ファネルの潜在層をSNS広告に近い感覚で刈り取るのが目的です。Google広告、AI Maxにテスト機能が追加でも触れた通り、GoogleはAI活用を軸に広告フォーマットの整備を加速させています。その文脈で今回の8月アップデートが位置づけられます。

8月アップデートで具体的に何が変わったか

公式発表によると、今回追加された機能は大きく3領域に分かれます。

メッセージング機能の拡充:広告からそのまま会話を始められる導線が強化されています。クリックしてLPに飛ばすだけでなく、メッセージでリードを獲得するルートが整備された形です。問い合わせのハードルを下げたい商材(高額商品・BtoBサービスなど)にとって選択肢が増えた意味があります。

旅行業界向けの特化機能:旅行カテゴリーにおける広告フォーマットや配信ターゲティングが拡張されています。旅行に限らず、「購入前に比較検討する期間が長い商材」全般でヒントになる動きです。

クリエイティブ設定の幅が広がった:複数フォーマット(横長・縦型・スクエア)を一つのキャンペーンに混在させてAIが最適配信する仕組みが改善されています。縦型ショート動画とYouTube通常動画を同時に入稿して、プレースメントごとに自動で使い分けるイメージです。

注目したいのは、この3点すべてが「入り口の多様化」に向かっているという方向性です。単一のLPにすべてを集約するのではなく、メッセージ・比較情報・動画という複数の接点でユーザーを包む設計に移行しつつある、というGoogleの意図が読み取れます。

「自分で広告を回す人」が今週確認すべきチェックポイント

Google広告の管理画面でDemand Genキャンペーンを開いている人は、以下の順で確認するのが現実的です。

①クリエイティブ設定のタブを開く:縦型動画(9:16)の入稿枠が追加されているか確認してください。すでにYouTubeショート用の縦型素材がある場合は、そのまま追加できる可能性があります。

②メッセージング系のCTA(行動喚起)が選択肢に出るか確認する:広告の設定ステップでコンバージョン目標を開き、メッセージ系のアクションが新たに選べるようになっていれば、今回のアップデートが自分のアカウントに反映されています。

③既存キャンペーンには触らず、テストを切り出す:アップデートを確認したいなら、既存キャンペーンを編集するのではなく新規で小さく立ち上げる方が安全です。既存の配信実績を崩さずに新機能を試せます。

発表内容を読む限り、ロールアウトのタイミングはアカウントによって異なる可能性があるため、「まだ反映されていない」場合も想定しておくと焦らずに済みます。

縦型動画素材がない人が最初に考えること

今回のアップデートで縦型フォーマットの重要性が上がっている一方、「横型の動画しかない」という状況は多いはずです。ここで使えるのがAIツールによるリサイズ・再編集です。

たとえば、横型の動画をそのまま縦にトリミングするだけでは被写体が切れてしまうことが多いですが、CapCutやRunwayといったツールはAIで被写体を認識してリフレーミング(画角の自動調整)ができます。既存素材を縦型に変換するだけでも、入稿できるクリエイティブの数が一気に増えます。

また、AIペルソナで「3つのない」を突破する方法でも整理されているように、素材・予算・人手が限られた状況でのAI活用は「生成」よりも「既存素材の変換・再利用」から入るのが現実的な順番です。縦型対応は今回のDemand Genアップデートに限らず、YouTubeショートやInstagramリールでも共通の課題なので、一度整理しておく価値があります。

広告プラットフォームが「チャット入り口」に向かう流れをどう読むか

今回のメッセージング機能の強化は、Googleだけの動きではありません。ChatGPTがついに広告プラットフォームにでも報じたように、広告の「次のアクション」をLPではなく会話に誘導する設計は業界全体で進んでいます。

この流れが意味するのは、「LPを完璧に作り込んでからリードを取る」という従来の順序が変わりつつあるということです。広告→メッセージ→会話の中でヒアリング→クローズ、というルートが現実的な選択肢になってきた。特に高単価商材や比較検討期間が長い商材では、LPよりも先に会話で選別した方がコンバージョン効率が上がる可能性があります。

使う側として押さえておきたいのは、「LPを作る工数を削って、メッセージ対応の準備に振り替える判断が合理的になってきた」という視点です。ただし、メッセージ対応を自動化するにはチャットbotやCRMとの連携が必要になるため、今すぐ全面移行というよりは「1商材だけ試す」レベルで入るのが現実的です。

参照ソース