
ブラウザをAIが操作する時代、3つの動きを整理
朝の出汁版(通勤2分)
- ポイント1: AlibabaがオープンソースでWebページをAIが自然言語で操作できるライブラリを公開し、GitHubで2.3万スターを集めるほど注目されている。
- ポイント2: GoogleのAIエージェント構築キット(ADK)とAlibabのページ操作ライブラリが同時期に台頭しており、「AIが代わりにブラウザを触る」仕組みを自分で組める環境が整いつつある。
- ポイント3: Claude Codeの活用リソース集(awesome-claude-code)を起点に、バイブコーディングの実践パターンを探してみると、自分のプロジェクトへの応用イメージが掴みやすい。
出汁の素(深読みモード)
「AIがブラウザを代わりに触る」がコードで組める環境になってきた
ここ数週間で、AIエージェントがWebブラウザを自律的に操作するための道具が、オープンソースとして立て続けに公開されている。Alibabaが公開した page-agent(GitHubで2.3万スター)は、JavaScriptをWebページに埋め込むことで、自然言語の指示でDOMを操作できるライブラリだ。「この入力欄に○○を入力して送信ボタンを押す」といった操作を、コードを逐一書かずにAIへの指示で実行できる仕組みになっている。
Googleも同タイミングで ADK(Agent Development Kit) をPython向けにオープンソース公開した(2万スター超)。こちらはブラウザ操作に特化するというより、ツール呼び出し・マルチエージェント連携・評価まで含んだAIエージェント構築の汎用キットとして位置づけられている。
2つの動きが同時期に重なっているのは偶然ではない。「AIが自律的にWebを操作する」という領域に対して、Big Techが本気でインフラを整えはじめたタイミングと見るのが自然だ。
page-agentとADK、使う側が知っておくべき違い
両者は一見似た領域をカバーするように見えるが、切り口が異なる。
page-agent はWebページそのものへの介入が主眼だ。ブラウザの外からPuppeteerで操作するのではなく、ページ内のスクリプトとして動作する点が特徴的。フォームの自動入力、ページ上の要素クリック、データ抽出などをAIに自然言語で委ねる用途に向いている。デモを見ると、ECサイトの操作や社内Webツールの自動化といったユースケースが想定されていることがわかる。
ADK はもう少し上のレイヤーにある。「どのツールをどの順番で呼ぶか」「複数のエージェントをどう連携させるか」という設計を担うキットだ。ブラウザ操作はあくまでその中の一機能として組み合わせることができる。Gemini系のモデルとの親和性が高いが、他モデルの接続も可能な設計になっている。
コードが書けると有利な場面としては、ADKを使って「フォームへの入力→結果のスプレッドシート書き込み→Slackへの通知」といった一連のフローをエージェントとして組む構成が挙げられる。コードなしでも試せるのは、page-agentの公式デモページで自然言語入力を試してみることだ。
Claude Codeを軸に「バイブコーディング」の実践パターンを探す
もう一つ注目したいのが awesome-claude-code(4.8万スター)だ。Claude Codeに関するリソースを有志がキュレーションしているリポジトリで、プロンプトパターン・プラグイン・ステータスライン表示など、実際にClaude Codeを使い倒している人たちの知恵が集まっている。
スター数4.8万という数字は、現時点でこの3つの中でも群を抜いている。Claude Codeを日常的に使っている人口の多さを反映しているとも言えるし、「まとめリポジトリ」という性質上、初めて触る人の入口としても機能しているとも読める。
チームでClaude Codeを使うなら、ゲートウェイを立てるで触れたように、Claude Codeの活用は個人の使いこなしから組織的な運用まで幅が広い。awesome-claude-codeはその「個人の使いこなし」側のアイデアが特に充実している。page-agentやADKのようなエージェント構築ツールと、Claude Codeを使ったバイブコーディングは、実践面で組み合わせやすい位置関係にある。
今すぐ触るなら、この順番で入る
3つのリポジトリのうち、どこから触るかは目的によって変わる。
まずエージェントで何かを自動化したい人は、page-agentのREADMEを読むところから始めるのが早い。TypeScriptベースだが、ブラウザのコンソールから試せるデモも公式に用意されている。npm install page-agentでローカルにも導入できる。
もう少し本格的なエージェントを組みたい人は、GoogleのADK(pip install google-adk)のQuickstartドキュメントが出発点になる。サンプルコードがシンプルで、Pythonが読める人なら30分以内に動くものを作れる構成になっている。
Claude Codeをすでに使っていて、使い方の引き出しを増やしたい人は、awesome-claude-codeのリポジトリをざっと眺めて「自分がまだやっていないパターン」を1つ拾うのが即効性が高い。コマンドのカスタマイズやSLASH commandの活用あたりが、取り入れやすい入口として挙げられている。
3つを無理に組み合わせようとする必要はない。「今自分が詰まっていること」に一番近いものを1つ触る、というのが現実的なアプローチだ。
「ブラウザ操作エージェント」の次のステップ:page-agent × ADKの組み合わせ設計
より踏み込んだ実装に興味がある人向けに整理すると、page-agentはDOM操作の実行エンジン、ADKはエージェントのオーケストレーター、という役割分担で両者を組み合わせることができる。
具体的には、ADKの「ToolCall」としてpage-agentの操作を呼び出す構成が考えられる。たとえば「指定したURLのフォームに入力して送信し、結果ページから特定の値を抽出してCSVに書き出す」という一連のパイプラインを、自然言語の指示をトリガーにして動かすような設計だ。
この方向性で自動化を試みる場合、ADKのドキュメント内にある「Custom Tool」の実装パターンを先に読んでおくと、page-agentとの接合点のイメージが掴みやすくなる。どちらもアクティブにメンテナンスされているリポジトリなので、IssueやDiscussionを見ると実装上の壁についての情報も見つかりやすい。
参照ソース
- [GitHub]alibaba/page-agent→ github.com/alibaba/page-agent
- [GitHub]google/adk-python→ github.com/google/adk-python
- [GitHub]hesreallyhim/awesome-claude-code→ github.com/hesreallyhim/awesome-claude-code
