
AIへの指示書、7万人が公開中
朝の出汁版(通勤2分)
- ポイント1: AIツールへの指示文(プロンプト)をテンプレ化しておくだけで、制作・分析・文章作成の依頼精度が格段に上がる。
- ポイント2: トップエンジニア7万5千人が支持する「AIへの伝え方集」が無料公開され、業務で使える指示パターンをそのまま流用できるようになった。
- ポイント3: 今日から自分のよく使うAI指示文を1つメモ帳に書き留め、使い回せる「指示テンプレ」を作り始めよう。
出汁の素(深読みモード)
これって結局どういうこと?
AIツールって、使い方によって全然結果が変わりますよね。同じChatGPTやClaudeを使っていても、「ちょっと手伝って」と雑に頼むのと、きっちり文脈を整えて依頼するのとでは、アウトプットの質が段違いなんです。
そのAIへの「お願いの仕方」をまとめたファイルを、世界トップクラスのエンジニアであるMatt Pocock氏が自分のAI開発環境(.claudeディレクトリ)から丸ごと公開しました。それが今回紹介する「skills」というGitHubリポジトリです。GitHubというのはエンジニアが使うコード共有サービスですが、今回の中身は難しいコードではなく「AIにこういう仕事をさせるときは、こう伝えると上手くいく」という実践的な指示文の集まりです。
すでに7万5千人以上のエンジニアが「これは使える」と支持していて、無料で誰でも見られます。技術的な知識がなくても、指示文のパターンを「そのまま流用」できるのが最大のポイント。マーケターにとっては、日々のAI作業の精度を底上げできる、かなりコスパの高いヒント集なんです。
なぜこのタイミングで重要?
マーケターにとってなぜ重要なのか? 3つの業務シーンで考えてみましょう
① 毎回ゼロから指示を書くのは、実は「見えない残業」になっている
マーケティングの現場って、AIへの依頼が日常的になってきていますよね。コピーライティング、競合調査のまとめ、SNS投稿の文言作成、レポートのドラフト…。でも毎回「よし、どう頼もうか」と考え直すのは、地味に時間を食っています。1回あたり5分の試行錯誤が1日10回あれば、月に20時間以上のロスです。
今回公開された指示文集は、「こういうタスクにはこういう伝え方が効く」というパターンをまとめたもの。これをベースに自分なりのテンプレを作っておけば、その「考え直す時間」をほぼゼロにできます。ちなみに以前の記事でAI自動化のコスト、静かに膨らんでいないかという話を紹介しましたが、実はAI活用で浮かせたはずの時間が「毎回の指示文作り」に溶けているケースが多いんです。このテンプレ化は、そのコストを直接削れる手法です。
② AIへの「依頼精度」が上がると、修正コストが劇的に下がる
AIが出したアウトプットを人間が直す時間って、案外バカにならないですよね。特にコピー作成や分析まとめは「なんか違う」「もっとこういう感じで」という修正ラリーが発生しがちです。
この問題の根本は、最初の指示が曖昧なことがほとんど。「ターゲット、トーン、フォーマット、制約条件」をあらかじめ指示文に盛り込んでおくと、初回アウトプットの精度が格段に上がります。今回公開された指示パターンには、まさにこの「最初から盛り込むべき要素」が体系化されています。
③ チームのAI活用レベルを「属人化させない」ための共有ベース
マーケチームでAIを使い始めると、「あの人の頼み方は上手い、自分のは微妙」という差が生まれてきませんか? この差はセンスではなく、「どう伝えるか」の引き出しの差です。
今回の指示文集を参考に、チームで「うちのAI指示テンプレ集」を作っておくと、新メンバーが入っても即戦力になれますし、担当者が変わっても品質が安定します。属人化を防ぐ、小さくて強い武器になるんです。
具体的に始めるなら
今週中にやってみること(優先順位つき)
【最優先】まず自分の「よく使うAI依頼」を3つ書き出す
メモ帳でもNotionでも何でもOK。「毎週やっているAIへの依頼」を3つ思い出してみてください。例えば「競合のSNS投稿を分析してまとめて」「このブリーフからコピー案を5本出して」「会議メモを箇条書きにして」など。まずリストアップするだけで十分です。所要時間:10分。
【次にやる】GitHubのskillsを眺めて、使えそうなパターンをコピーする
https://github.com/mattpocock/skills にアクセスして、ファイルの中をスクロールしてみてください。英語ですが、Google翻訳やClaude・ChatGPTに貼り付けて「日本語で要点をまとめて」と頼めばOKです。「あ、これ使えそう」と思ったパターンを1〜2個コピーしておきましょう。所要時間:15〜20分。
【仕上げ】自分用の「指示テンプレ.txt」を1ページ作る
先ほどの3つの依頼それぞれに、コピーしてきたパターンを組み合わせて「使い回せる指示文」を書いてみましょう。最初は完璧じゃなくて大丈夫。使いながら育てていくものです。できたらチームのSlackやNotionに共有すると、そのまま「チームテンプレ」に進化します。所要時間:30分。
この3ステップで合計1時間かからず、毎日の作業効率を底上げできる「資産」ができあがります。
よくある疑問
よくある疑問
Q1. GitHubって、エンジニアじゃないと使えないんじゃないですか?
そのイメージ、すごくよく分かります。GitHubはエンジニアのイメージが強いですが、今回のskillsリポジトリはコードではなく「テキストファイル」の集まりです。URLを開けばブラウザ上で普通に読めます。アカウントを作る必要もなく、URLにアクセスするだけでOK。「ちょっと難しそうなウェブサイトのページを読む」くらいの感覚で大丈夫です。英語が読みにくければ、そのままClaudeやChatGPTに貼り付けて「これを日本語で説明して、マーケターが使えるポイントを教えて」と頼む方法が一番スムーズです。
Q2. 指示テンプレを作ったとして、AIが毎回同じような答えを返してきませんか?
これは良い気づきなんですが、実はテンプレ化と多様なアウトプットは両立できます。テンプレで固定するのは「伝えるべき文脈・条件・フォーマット」であって、「内容のバリエーション」はAIが毎回生成します。例えば「ターゲット:30代女性、トーン:カジュアル、文字数:140字以内でキャッチコピーを5案作って」という枠組みを固定しても、出てくる5案は毎回違います。むしろテンプレがあることで「今回は違うトーンで試してみよう」という意図的な変化もつけやすくなるんです。
Q3. どのAIツールでも使えますか?Claude専用ですか?
元々はClaude(Anthropic社のAI)向けに作られた指示文集ですが、考え方自体はChatGPT、Gemini、Copilotなど他のAIツールにもほぼそのまま応用できます。「何をしてほしいか」「どんなトーンで」「どんなフォーマットで」「どんな制約があるか」を明確に伝えるという構造は、どのAIでも有効です。使っているツールに合わせて少し言葉を変えるだけで十分機能します。
もう一歩踏み込みたい人へ
もう一歩踏み込みたい人へ
今回のskillsリポジトリは「プロンプトエンジニアリング」と呼ばれる分野の実践版です。プロンプトエンジニアリングとは、AIへの指示文を設計する技術のことで、ここ2〜3年で急速に体系化されてきています。
興味が出てきたら、次のステップとして**「System Prompt(システムプロンプト)」**の概念を調べてみると理解が深まります。AIに「毎回この前提で答えてね」という設定を埋め込む機能で、ChatGPTの「カスタム指示」やClaudeの「プロジェクト設定」がこれにあたります。一度設定すれば、毎回の指示が大幅にシンプルになります。
また、今回のような「個人の.claudeディレクトリを公開する」文化はエンジニアコミュニティで急速に広まっています。GitHubで「.claude」「claude prompts」「system prompt collection」などで検索すると、類似の指示文集がたくさん見つかります。英語ばかりですが、AIに翻訳・要約を頼みながら眺めるだけでもインスピレーションになるはずです。
さらに発展的な話をすると、チームで指示テンプレを育てていくと、やがてそれが**「自社のAI活用ガイドライン」**の骨格になります。小さな一歩が、組織のAI成熟度を底上げする資産になっていくんです。
参照ソース
- [GitHub]mattpocock/skills→ github.com/mattpocock/skills
