ASADASHI
紙工作のジオラマで表現された、AIへの情報入力順序の設計プロセス
時短ハック2026.06.21·読了 2·難易度: やさしい

AIに書かせる前に「渡す順番」が全てだった

紙工作のジオラマで表現された、AIへの情報入力順序の設計プロセス

朝の出汁版(通勤2分)

  • ポイント1: 求人票・研究計画書・業務資料など、複数工程を伴うドキュメント作成において、AIに先に「実績データや判断基準」を渡してから生成させる手法が業界で広がっている。
  • ポイント2: @id_121122142、@_daichikonno、@shota7180 の発信に共通するのは「AIに何かを生成させる前に、自分の文脈・基準・過去データを先行インプットする」という順番の設計であり、これが精度と再現性を決める。
  • ポイント3: まず手元にある「うまくいった事例・自分の判断基準・過去の成果物」をテキスト化してAIに貼り付け、そこから生成を始めるフローを一度試してみるといい。

出汁の素(深読みモード)

これって結局どういうこと?

AIにドキュメントを書かせるとき、多くの人は「指示の出し方」を工夫しようとする。でも、複数の発信者が指摘しているのは、問題は指示の言い方より「何を先に渡すか」という順番の設計だという点だ。

@id_121122142は求人票の話として、「採用成功者の入社理由・スキルセット」をAIに貼り付けてから生成させると、実態に近い原稿が出る、と発信。@_daichikonnoは研究計画書の下書きを30分で完成させる手順として同様のアプローチに言及し、@shota7180はClaude Codeを使ったリサーチ・分析・資料作成の流れで「自分の判断基準をスキル化してエージェントに渡す」設計が鍵だと述べている。

共通するのは「ペルソナや指示を後から定義するのではなく、実績データや判断基準を先行インプットする」という順番の原則だ。要はAIへの入力設計の問題であり、生成の精度は使い方のセンスより先に「渡す材料」で決まる。

なぜこのタイミングで重要?

ここ1〜2年、「プロンプトエンジニアリング」という言葉が広まり、指示の書き方を磨くことに注目が集まった。しかし業界の関心は徐々に「プロンプトの文面」より「コンテキスト設計」へ移っている。

背景にあるのは、AIのコンテキストウィンドウの大幅な拡張だ。以前は長いテキストを渡すこと自体が難しかったが、現在のChatGPTやClaudeは数万〜十数万トークンを扱える。つまり「過去の成功事例まるごと貼る」「自分の判断基準をドキュメント化して毎回渡す」という運用が現実的になっている。

AIを「仕事の流れ」に乗せる8つの入口で触れたように、AIを業務に組み込む際の障壁は「どこに入れるか」だけでなく「何を渡す設計にするか」にある。今回の各発信はその設計論の具体例だと読める。

注目したいのは、この手法が特定のツールやAPIに依存していない点だ。ChatGPT無料プラン、Claude、Geminiいずれでも試せる。「AIに何かを作らせる前に、うまくいった事例のテキストを貼り付ける」という行動1つで再現できる。新しいツールの習得コストがほぼゼロというのが、実用面で重要なポイントだ。

また、@shota7180が言及しているClaude Codeのエージェント設計の話は、この「渡す設計」をさらに自動化・構造化したものと捉えられる。単発の生成から、判断基準を持ったエージェントの構築へ──同じ原則が複数のレイヤーで機能している。

具体的に始めるなら

まず試すなら:求人票・提案書・企画書の「型」を作る

手元にある「うまくいった成果物」を1つ選ぶ。採用担当なら実際に内定承諾につながった求人票、営業なら受注につながった提案書、コンテンツ制作なら反応が良かった記事のブリーフなど。

それをそのままChatGPTやClaudeに貼り付け、次のように指示する。

「以下は過去にうまくいった○○の事例です。この文体・構成・ターゲット設定のパターンを踏まえて、[新しい案件の概要]に合わせた○○を作成してください。」

ペルソナを先に定義しようとしない。過去データを先に渡し、そこからAIにパターンを読み取らせるのが順番のポイントだ。


次のステップ:判断基準をドキュメント化して使い回す

1回きりのコピペではなく、「自分の判断基準リスト」を作っておくと再利用できる。例えば、

  • 採用なら「うちが採用で重視するポイント10項目・過去の失敗理由3パターン」
  • 分析なら「このプロジェクトで使う評価軸・除外条件」
  • 企画なら「これまでに通った企画の共通点・NGになった理由」

これをメモアプリやNotionにテンプレートとして保存し、AIへのプロンプト冒頭に毎回貼り付けるだけで、毎回ゼロから指示を設計する手間がなくなる。


Claude Codeを使う場合:複数工程の業務に

@shota7180が言及しているClaude Codeは、リサーチ・分析・資料作成のように複数のステップがある業務で特に相性がいいとされている。自分の判断基準を「スキル」としてエージェントに渡す設計ができるため、毎回同じ精度を保ちながら工程を流せる。Claude Codeの詳細はClaude Code詐欺に注意:公式の入手経路を確認しようも参照のこと。


発展:生成前の「コンテキストパック」を整備する

分野別に「渡すべきデータのセット」を用意しておくのが中級以降の使い方だ。求人票なら採用成功事例3件+評価軸、提案書なら受注事例2件+NGパターン──こういったパックを整備しておくと、AIへの依頼が都度ゼロスタートでなくなる。

よくある疑問

Q. 既存の成果物を貼り付けると、そのまま流用になってしまわないか?

A. 指示の中で「このパターンを参考に、新しい内容で作成してください」と明示すれば、AIは構造・文体・視点を参照しつつ、別の内容を生成する。過去データはあくまで「参照元」として使い、コピーではなく「自分の文脈を持った生成」を引き出すのが目的だ。ただし機密情報や個人情報を含む成果物を貼り付ける場合は、ChatGPTのメモリ設定やデータ利用ポリシーを事前に確認しておきたい。


Q. 渡すデータが少ない・まだ実績がない場合はどうする?

A. 「実績データ」がない場合でも、「自分が重視している判断基準」「やりたくないことリスト」「理想とする他社事例のURL・テキスト」を渡すことで代替できる。ゼロから生成させるより、何らかの「文脈の材料」を渡してから始めるという順番の原則は変わらない。


Q. この手法はどのAIツールでも使えるか?

A. ChatGPT(無料・有料)、Claude(無料・有料)、Geminiいずれでも基本的には同じアプローチが使える。コンテキストウィンドウの上限に注意が必要で、非常に長い資料を複数貼り付ける場合はClaudeのProプランやChatGPT Plus(GPT-4o)が安定しやすい。無料プランでも数千字程度のデータを渡す範囲であれば十分試せる。

もう一歩踏み込みたい人へ

「渡す設計」をさらに自動化・構造化したい場合、Claude Codeのエージェント機能が現時点で有力な選択肢の1つとなっている。@shota7180の発信でも触れられているように、自分の判断基準を「スキル」としてエージェントに組み込み、リサーチ→分析→資料作成の工程をパイプライン化する設計が可能だ。

より軽量な自動化であれば、NotionやGoogle DocsにコンテキストパックをテンプレートとしてストックしておきChatGPT/ClaudeのAPIに渡すシステムプロンプトとして設定するという構成も使える。OpenAIのAssistants APIやAnthropicのAPIでは、「システムプロンプト」としてコンテキストを常駐させる機能があるため、毎回手動でコピペする手間を省ける。

参考として、AnthropicのシステムプロンプトドキュメントはAnthropicの公式ドキュメント(https://docs.anthropic.com)から確認できる。OpenAI Assistants APIのドキュメントはhttps://platform.openai.com/docsに公開されている。

AIへの「逆質問」が精度を上げるで触れた「AIに先に質問させる」アプローチとこの「先行コンテキスト渡し」を組み合わせると、AIが不足しているデータを自ら聞き出しながら生成する流れが作れる。判断基準の整備→APIによる常駐設定→エージェント化、という順番でスケールさせていくのが一つの発展ルートだ。

元になったツイート

  • ChatGPTに求人票を書かせるより、「既存の採用成功者の入社理由・職務内容・スキルセット」を貼り付けてから書かせると、実態に近い原稿が出力される。採用ペルソナを後から定義するのではなく、先にデータとして渡す順番が鍵だ。 あなたの求人票、ペルソナ定義の前にデータを渡しているか。

  • 【『第4回 研究者のための生成AI活用セミナー』見どころ②】 「研究計画書・申請書ドラフト執筆」コーナーでは、添付動画のように30分で研究計画書・申請書の下書きが終了する方法をお伝えします! 先月公開し、ありがたいことに大好評いただいています! ぜひご参加いただけると嬉しいです☺️ https://t.co/SOYgDij47c https://t.co/Npp7olyctr

  • リサーチ、分析、資料作成など複数の工程がある業務は、Claude Codeとの相性が良いです。 自分のやり方や判断基準をスキル化し、エージェントを作成することで、精度を保ったまま効率化できます↓ https://t.co/653rVrJwRM https://t.co/toTbMteo8h

参照ソース