ASADASHI
ミニチュア紙工作で表現されたGoogleの自分プロフィール機能と広告ターゲティングの概念図
広告・集客2026.06.07·読了 2·難易度: ふつう

Googleが検索に「自分プロフィール」機能を追加

ミニチュア紙工作で表現されたGoogleの自分プロフィール機能と広告ターゲティングの概念図

朝の出汁版(通勤2分)

  • ポイント1: GoogleがSearch Profilesを導入し、ユーザーが自分の興味・関心をGoogleアカウントに登録することで、検索結果や広告の出し方がそのプロフィールに応じてパーソナライズされる仕組みが整備されつつある。
  • ポイント2: 広告・集客を自分で回している側として知っておくべきは、ユーザー側のプロフィールデータがGoogleの広告ターゲティング精度に直結するという点で、オーディエンスの粒度がさらに細かくなる可能性がある。
  • ポイント3: 広告運用を触り始めるなら、Google広告のオーディエンスセグメント設定を今のうちに見直し、プロフィールベースのシグナル変化に備えてキャンペーン構成を整理しておくのが先手になる。

出汁の素(深読みモード)

これって結局どういうこと?

Googleが検索に「プロフィール」機能を追加した。ユーザーが自分の興味・関心をGoogleアカウントに登録しておくと、その情報をもとに検索結果や広告の表示が変わる仕組みだ。要は、Googleが「この人はどんな人か」をより精緻に把握し、それを検索体験全体に反映させようとしている。出典はProduct Huntに掲載されたGoogle Search Profilesの公式ページ。ユーザー側の話のように見えるが、広告や集客を自分で動かしている側にとっては、ターゲティングの前提条件が変わる話として読み解く必要がある。

なぜこのタイミングで重要?

注目したいのは、このアップデートがGoogleの広告プラットフォーム全体の「精度向上」という大きな流れの一部だという点だ。

ここ数ヶ月、Googleは広告まわりのアップデートを立て続けに行っている。GoogleがAI広告の全体像を一気に公開したのが5月末、その直前にはGoogle広告のディスプレイ広告がDemand Genに統合されるという構造変更もあった。これらに共通しているのは「Googleがオーディエンスの定義権をプラットフォーム側に集約しつつある」という方向性だ。Search Profilesはその延長線上にある。

これまでGoogleの広告ターゲティングは、検索履歴・閲覧履歴・購買行動などの行動シグナルをもとに推定されていた。今回の変更でユーザーが自分から「私はこういう人間です」と申告するデータが加わることで、推定ではなく申告ベースのオーディエンスセグメントが形成されていく可能性がある。

使う側として知っておくべきは、この変化がオーディエンスの粒度を細かくする方向に働くということ。広告を配信する側からすると、ターゲットの精度が上がる半面、セグメントの定義や入札戦略がこれまでとは異なる前提の上に立つことになる。特に「興味関心ターゲティング」や「カスタムオーディエンス」を使っているなら、シグナルの性質が変わりうる局面として意識しておく価値がある。

具体的に始めるなら

まず確認すべき:自分のGoogle広告のオーディエンス設定を棚卸しする

Search Profilesが広告ターゲティングに与える影響を把握するには、現状の設定を正確に把握しておくことが先決だ。Google広告の管理画面(ads.google.com)から「オーディエンス」タブを開き、現在のキャンペーンがどのオーディエンスセグメントに依存しているかを確認しておこう。特に「アフィニティカテゴリ」「詳細なユーザー属性」を使っているキャンペーンは、今後のシグナル変化の影響を受けやすい。

次の一手:カスタムオーディエンスの見直し

Googleのカスタムオーディエンスは、キーワードやURLを指定してターゲット層を定義できる仕組みだ。Search Profilesによって申告ベースの興味データが加わると、このカスタムオーディエンスと既存のアフィニティセグメントの重なり方が変わる可能性がある。今のうちに「どのセグメントがどのパフォーマンスを出しているか」をレポートで整理しておくと、変化が起きたときに比較基準が持てる。Google広告のレポート機能で「オーディエンス別パフォーマンス」を出力し、現状のベースラインを記録しておくのが現実的な動き方だ。

ユーザー側として試したい人は:Googleアカウントのプロフィール設定を確認する

自分がどう「見られているか」を確認したい場合は、myaccount.google.com からアカウント設定にアクセスし、「データとプライバシー」→「広告設定」の順に進むと、Googleが認識している興味カテゴリを確認・編集できる。Search Profilesの登録インターフェースが日本のアカウントに順次展開されれば、同じ場所から操作できるようになる見込みだ。

発展:Demand Genとの組み合わせを考える

Google広告のディスプレイ広告がDemand Genに統合された流れと合わせると、Demand Genキャンペーンがプロフィールベースのシグナルをどう活用するかが次の注目点になる。Demand Genは動画・画像を横断して配信できるフォーマットで、オーディエンスの粒度が上がるほど精度が出やすい構造を持つ。Search Profilesの展開と並行してDemand Genの設定を触り始めると、タイミング的に面白い実験ができる可能性がある。

よくある疑問

Q. Search Profilesは日本でも使える? A. 2026年6月時点では、英語圏を中心にロールアウト中で、日本語アカウントへの展開時期は公式から明示されていない。ただし、Googleのプロダクトは段階的に多言語対応することが多く、myaccount.google.comの広告設定から一部機能を先行確認できるケースもある。日本語UIでの正式展開は公式ブログ(blog.google)での告知を待つのが確実だ。

Q. これは広告費に直接影響する? A. 直接的な費用変動は起きないが、オーディエンスの精度が上がることで「同じ予算でのリーチの質」が変わる可能性がある。ターゲティングの粒度が細かくなると、競合入札が激しくなるセグメントと手薄になるセグメントが生まれやすい。CPCやCPAの変動が起きた場合、Search Profilesの展開タイミングと照合する視点を持っておくといい。

Q. ユーザーがプロフィールを登録しなかった場合は? A. 従来通り、行動履歴や文脈シグナルをもとにしたターゲティングが機能する。Search Profilesはあくまで追加シグナルであり、未登録ユーザーへのターゲティングが無効になるわけではない。ただし、登録ユーザーが増えるほど申告ベースセグメントの比重が増すため、中長期的な影響は無視できない。

もう一歩踏み込みたい人へ

興味深いのは、Search ProfilesがGoogleのアカウントインフラ全体に統合される設計になっている点だ。これはGoogle Ads APIを通じたオーディエンスセグメントの取得方法にも影響しうる。

Google Ads APIを使ってオーディエンスレポートを自動取得しているなら、AudienceViewリソースやUserInterestエンティティの挙動が今後変わる可能性を念頭に置いておきたい。公式ドキュメント(developers.google.com/google-ads/api/docs)のaudience_insightsサービスは、ターゲットオーディエンスの特性を分析するためのエンドポイントを提供しており、Search Profilesが展開されれば新しいインサイトカテゴリが追加される可能性がある。

自動化の観点では、Google Apps ScriptやPython(google-ads-python ライブラリ)を使ってオーディエンス別パフォーマンスを定期取得し、Search Profiles展開前後の変化をトラッキングする仕組みを今のうちに作っておくと、変化を定量的に捉えられる。リポジトリとしてはgoogleads/google-ads-python(GitHub)が参考になる。

もう一つ押さえたいのは、Google Customer Match(顧客リストのアップロード機能)との組み合わせだ。自社の顧客データとSearch Profilesのシグナルが掛け合わさると、「自社顧客に似た人」の定義精度がさらに上がる方向に動く。Customer Matchの活用を検討しているなら、今がプロセスを整備するタイミングとして悪くない。

参照ソース