
AIの「冗談ズレ」は仕様。使い方で回避できる
朝の出汁版(通勤2分)
- ポイント1: AIツールへの期待値と実際の挙動のギャップが、開発者・利用者の双方で話題になっている。
- ポイント2: Claude Codeのような実務寄りAIは命名規則を自律的に守る一方、ChatGPTは感情的なコンテキストを文字通りに解釈しがちという特性の違いが、複数の発信者から指摘されている。
- ポイント3: AIに「ノリ」を求めるならプロンプトで役割・口調・ユーモアのトーンを明示する、という設定を一度試してみると挙動が変わる。
出汁の素(深読みモード)
これって結局どういうこと?
AIツールへの「期待と実態のギャップ」が、使う側のあいだで改めて話題になっています。X(旧Twitter)では「ChatGPTは冗談がズレる」「Claude Codeは命名規則を勝手に守る」という対照的な報告が相次ぎました。要は、AIごとに「得意な文脈の読み取り方」が根本的に異なるということです。ChatGPTは感情的・比喩的な発言を文字通りに解釈しがちな一方、Claude Codeは開発慣習(Conventional Commit Prefix など)を自律的に踏まえて動く。どちらが優れているという話ではなく、「何を任せるか」によって使うAIを選ぶ、あるいは使い方を調整する必要があります。この特性の違いを知っておくと、無駄なストレスが減ります。
なぜこのタイミングで重要?
AIを「なんでもできる便利ツール」として使い始めた段階では、ツールごとの設計思想の違いはあまり気になりません。ところが使い込むほど、「なぜここでこう返すのか」という疑問が積み重なってきます。今回話題になっている「ChatGPTの冗談ズレ」は、その典型例です。
ChatGPTはOpenAIの安全性・誠実性への方針から、曖昧な発言を「事実として解釈して丁寧に訂正する」方向に強く調整されています。「布団と結婚するわ」という発言に対して「それはできませんが」と返すのは、バグではなく仕様に近い挙動です。一方、Claude Codeが開発現場のコーディング慣習を文脈から読み取って遵守するのは、Anthropicがコーディングアシスタントとしての精度を優先して調整してきた結果と言えます。
注目したいのは、この「設計思想の違い」が今後さらに顕在化していくという点です。AIエージェントが複数タスクを自律的にこなすようになると、「どのAIにどの役割を割り当てるか」という設計が、アウトプットの質を左右する重要な変数になります。AIを1000体並列起動、Claude Codeが自走するで触れたように、AIが自律的に動く文脈では、各ツールの「素の癖」を把握しているかどうかが差になります。
また、AIのトーンや振る舞いはプロンプトで制御できる余地が大きい部分でもあります。「冗談ズレ」を嘆く前に、指示の設計で回避できるケースがほとんどです。
具体的に始めるなら
まず:自分が使うAIの「素の癖」を把握する
ChatGPTとClaudeで同じ文脈の発言を投げてみると、返し方の違いが如実に出ます。雑談的な一言、比喩を含む表現、感情吐露に近い文章を送ってみて、どちらがどう反応するかを比較するのが最初の一手です。課金不要な範囲でもこの差は確認できます。ChatGPT無料版(https://chatgpt.com)、Claude無料版(https://claude.ai)のどちらも基本的な対話は無料で試せます。
次に:「ノリ」や「トーン」をプロンプトで明示する
ChatGPTに軽い返しを求めるなら、System Promptまたは会話冒頭で明示するのが現実的です。たとえば:
- 「このチャットでは、フランクな友人として返してください。冗談には冗談で返す感じで」
- 「深刻に受け取らず、軽いユーモアで返してください」
これだけで挙動がかなり変わります。ChatGPTは「キャラクター設定」に素直に従う傾向があります。SOUL.mdに一行書くだけでAI秘書が完成するで紹介したような「常設の役割ファイル」を用意しておくと、毎回指示を書かずに済みます。
用途別の使い分けの目安
- コード・技術作業 → Claude Code(Conventional CommitやLintルールなど開発慣習を文脈から読む)
- 雑談・ブレスト・感情的なやりとり → キャラクター設定を入れたChatGPT、またはGeminiのような別選択肢も視野に
- ドキュメント作成・長文整理 → どちらも対応可能だが、Claudeは長文コンテキストの保持が安定しやすい
組み合わせの発想:AIを複数「使い分ける」前提でフローを設計する
「ChatGPTで構成案を出す → Claudeで精度を上げる」「Claude Codeでコードを書く → ChatGPTで説明文を生成する」など、1つのプロジェクトで複数AIを役割分担させる使い方が広がっています。各AIの「得意文脈」を把握していると、このフロー設計がスムーズになります。
よくある疑問
Q. ChatGPTのトーンはシステムプロンプトなしでも変えられますか?
カスタム指示(Settings → Personalization → Custom Instructions)に「どう返してほしいか」を一度設定しておけば、全会話に反映されます。無料プランでも利用可能です。「ユーモアを交えて返す」「フランクな口調で」といった記述で十分効果が出ます。ただし、安全性に関わると判断された発言への対応は設定を上書きする場合があります。
Q. Claude Codeが命名規則を「勝手に」守るのは、逆に困ることはありませんか?
プロジェクトによっては独自のルールがある場合、自律的な判断が期待と食い違うことがあります。公式ドキュメントによると、CLAUDE.mdというプロジェクトルートのファイルにルールを記述することで、Claude Codeの挙動をプロジェクト固有の慣習に上書きできます。「Conventional Commitは使わない」と明示すれば従います。AIコーディングの「事故」を減らす3つの設計術でも触れているように、明示的なルール定義が「事故」を減らす鍵です。
Q. AIに「ノリ」を求めるのはそもそも正しい使い方ですか?
用途次第です。コピー作成やSNS投稿の下書きなど、トーンが重要なアウトプットを作るシーンでは、AIに「このブランドの口調で」「このキャラクターとして」と設定するのは実用的な手法です。雑談相手として使うかどうかは個人の選択ですが、AIの「ノリのズレ」を許容できないなら、最初からトーン設定を入れておくのが現実的な対処法です。
もう一歩踏み込みたい人へ
プロンプトでのトーン制御をさらに安定させたい場合、OpenAI APIのSystem Messageパラメータを使うのが確実です。APIレベルではチャットUIより細かく「役割・口調・禁止行動」を設定でき、同じキャラクター設定を複数のやりとりにわたって一貫して維持できます。
Claude APIでもSystemパラメータが同様に機能します。Anthropicのドキュメント(https://docs.anthropic.com/en/api/getting-started)には、キャラクター設定のサンプルプロンプトも掲載されています。
Claude Codeのルール管理を自動化する
CLAUDE.mdはGitで管理できるため、チーム開発での標準化に使えます。プロジェクトごとに異なるコーディング規約を持つ場合、リポジトリにCLAUDE.mdを含めておくことで、メンバー全員のClaude Codeが同じルールで動く環境を作れます。公式リポジトリ(https://github.com/anthropics/claude-code)にサンプル構成があります。
AIキャラクター設定のテンプレート管理
よく使うトーン設定(ブランドボイス、特定の読者層向けの口調など)をMarkdownで管理しておき、API呼び出し時にSystem Messageとして動的に挿入する仕組みを作ると、複数プロジェクトでの一貫性が保てます。ChatGPTが「即まとめ」に走る理由と上手な使い方で触れた「AIの癖をプロンプト設計で制御する」考え方と組み合わせると、ツールごとの特性を活かした運用設計に発展させられます。
元になったツイート
Claude Code、Issue 作るときに Conventional Commit Prefix 付けガチ
ChatGPTは、 真面目すぎて冗談がズレる。 たとえば、こっちが 「もう今日は布団と結婚するわ」 って言う。 人間ならたぶん、 「おめでとう。末永く寝てください」 くらいで返してくれる。 でもChatGPTは違う。 布団と結婚することはできませんが、 かなり疲れている状態だと考えられます。
こちらもかなり生々しいAI活用の話。データから我々が想像することと、その裏にある業務実態との間には必ずギャップがあります。 https://t.co/hXDt4WZSa6
参照ソース
- [X]@id_1061283374: Claude Code、Issue 作るときに Conventional Commit Prefix…→ twitter.com/id_1061283374/status/2062986192896…
- [X]@id_1706280345317076993: ChatGPTは、 真面目すぎて冗談がズレる。 たとえば、こっちが 「もう今日は布団と結婚するわ」…→ twitter.com/id_1706280345317076993/status/2062…
- [X]@sammy_suyama: こちらもかなり生々しいAI活用の話。データから我々が想像することと、その裏にある業務実態との間には必…→ twitter.com/sammy_suyama/status/20626702512136…
